次世代の借り換えローン
女性の意見については、残業や深夜業の法的規制(女性保護)の要・不要に関する見解が、能力主義観の代理指標になるかもしれない。
労働省の東証一部上場企業に働く女子正社員554人へのアンケート調査によれば、彼女らの67%が時間外・休日労働の制限を、53%が深夜労働の制限を「不要」とみなしている。
とはいえ、その「不要派」の多くは「男女とも同じ保護が必要」とするものであって、かならずしも経営者のいう能力主義的平等の哲学への支持とはいえない。
類似の結果は、連合の95年夏の調査にも示されている。
女性のある層は、後に述べるようにある理由から「機会の平等」を建前とする能力主義への支持におもむく可能性をもつ。
しかし認識が実態としての能力主義管理のもたらすものに及ぶならば、彼女らの多数派は男性よりも早々にその支持の撤回に向かうだろう。
大企業の男性大卒ホワイトカラーしかしながら、現代の企業社会のオピニオンリーダーたる男性大卒ホワイトカラー層になると、能力主義観ははるかに肯定的なものになる。
これまでもその企業側の回答をくりかえし用いてきた労働省の委託調査にみる、今度は従業員の回答からいくつかを紹介しよう。
この調査は、その質問の立ち入った性格ゆえにきわめて興味ぶかいからである。
あらためてその回答者を確認しておく。
大企業に働く男性従業員4063人、平均年齢39歳、学歴は78%が大学卒以上、すべてホワイトカラーで「課長級以上」が44%、職種構成としては、管理34%、事務32%、営業13%、研究・技術2%、専門職9%である。
この人びとの考える「同期内での望ましい年収格差」、すなわち各年齢段階の平均を100とした場合の「トップグループ」「最下位グループ」の指数は次のようになっている。
この数値を現実の年収格差と比較してみよう。
彼らは30歳・40歳の年齢段階について、いまよりも大きい能力査定による賃金格差を望んでさえいる(企業側回答では格差はそれぞれ、25.2、37.5)。
年齢平均で望ましいと考えている格差がようやく、50歳時点で、現実に生じている水準に等しい。
それは「最下位グループ」の年収が「トップグループ」の62%という格差である。
「増やしてほしい賃金構成要素」は、「会社への貢献で決まる部分」(46%)、「従事している仕事の内容で決まる部分」33%)、「年齢や勤続で決まる生活給部分」(20%)の順である。
これももちろん、企業の意向と一致している。
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